エピソード3  すみれの赤ちゃん

 2001年12月 すみれにシーズンが来た。男の子たちはすみれの周りをウロウロ、くんくん。すみれちゃんは迷惑そうに部屋の片隅で威嚇している。
 
 すみれは前のシーズンのとき、らんちゃんとの間に赤ちゃんができた。ももやさくらの出産の前である。本当は作りたくなかったのに目を離した隙に仲良くしていた(OH・・・(^_^;))。らんちゃんも大人になったのね・・・。

 すみれの赤ちゃんは2匹。56日ぐらいでかなり大きくなっていた。我家では初の出産!ということで、本を毎日読んで、熱が下がったら生まれるとか、食事をしなくなるとか、夜中に陣痛がくるとか、一般例ばかり頭の中に入れていた。

 すみれの出産は日曜日のお昼過ぎに突然やってきた。その日すみれはいつもと変わらずモリモリごはんを食べた。「今日もないか・・・」と思っていたので、あまりかまわずにいた。
 「きゃ〜ん!」何とも聞いたことない悲鳴のようなすみれの声。急いで見に行くと袋が出ている!!あれ〜っ出産だ!こうなると人間は何もできずただ見守るばかり。まもなく足が出てきた。かなり大きい。あれ、頭が出ない!?
お腹を押してひっぱたりしてみたが、どうしようもなく、病院へ駆け込んだ。ついた頃には赤ちゃんの足は冷たくなっていた・・・。

 「今から、帝王切開しますが、この子はもうだめです。完全に首が引っかかっています。もう1匹も助からない可能性が高いです」
手術をしてもらい、もう1匹の子が取り出された。かろうじて生きている。小さな小さな産声をあげている。看護婦さんが必死に蘇生をしてくれた。
 でも、だめだった。小さな赤ちゃんは最後に「キュウ〜ン」とか弱く泣いた後、息をしなくなった。たった2時間の命だった。

 すみれにとっても私たちにとっても、初めての赤ちゃんは、私たちにたくさんのことを教えるために、生まれてきて、天使になった。出産は簡単なことではない、気を抜いてはいけない。言葉では語れないとても大事なことを赤ちゃんに教えてもらった。いつまでも忘れないでいよ!生まれてきてくれてありがとう

 その後、すみれちゃんは順調に回復し、今では傷跡もわからなくなった。今度はずっとそばにいるからね。無事に妊娠、出産できますように・・・。